平成7年、EUから日本の水産食品の禁輸が発令された。
原因は衛生問題。EUは、日本がHACCPを導入すれば 禁輸を解くと通達してきた。
当時、国内ではHACCPについての前例がなく、その知識も ほとんどなかった。
しかし当時の社長・誠一はHACCPを導入する決断をした。
やるからには徹底的にやるのが誠一の方針であり、 その誠一の命を受け、
当時製造部長だった奥島は 厚生省(現在の厚生労働省)の指導を受けたり、
保健所に毎日のように通い、HACCPについて勉強した。
そしてハードに関しては、「建て替えた方が早い」というくらい徹底的にHACCPに 適応した製造環境に変えていった。
「ひとつハードルを越え、また新しいハードルが立ちはだかり、ほんとうに苦悩の日々だった、
よく会長は信念を通された」と、奥島は述懐する。迎えた9月。
厚生省からの最終的な認定がおりEUからの査察官を招いて最終チェックを受けることになった。
この査定を受けるために手を挙げた企業は全国でも6社だけ。
しかも、同社は6社の中でトップに検査を受けることになった。当日、EUの3人の査察官が 同社を訪れた。
水と細菌学、さらにプロセスの専門家の3人。
彼らは朝から夕方までつぶさに工場を視察。HACCP規格をパスしているかどうか、 入念に見て回った。
そして12月、同社はめでたく合格の知らせを受けることができたのである。
こうして、日本の水産食品の禁輸は解けた。トップバッターとしての同社の果たした 役割の大きさは言うまでもないことだろう。
誠一の先見の目は正しく、2年後にはアメリカ向商品にもHACCP導入の要請があり、
土台があったおかげで、この際にはすぐに「Very good」で審査をパスできた。



「HACCP」の継続と深化
もちろん、HACCPは検査に合格すればいいというものではない。
継続することが一番大切であり、気のゆるみを何よりも警戒する。
同社はHACCPに対する書類を常に会議室に揃え、誰もが自由に見られるようにしている。
また、HACCPの専門社員も配置。管理マニュアルをもとに、水質検査や搬入記録、 原料などの細菌検査結果を
もれなく記録に残している。 ソフト面に関しても、電気の点け消しから長靴の置き場までこまかにチェック。
記録の確認も1週間に一度行うなど、HACCPへの対応ぶりはまさにEUの査察が訪れたときの
緊張感を常に持ち続けるとともに、データを分析・解析することによってさらに深化し続けている。
『オオサキ』ブランドとしての品質には、衛生管理品質は当然含まれているのだから。
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